近年、ウエイトトレーニングが徐々に人気を集めています。しかし、重りを使用するトレーニングはフォームが正確でないと、深刻なケガを引き起こす可能性があります。一方で、コアマッスルは脊柱を安定させ、体をケガから守る役割を果たします。そのため、基本的なコアマッスルの活性化は呼吸トレーニングから始める必要があります。正しい呼吸によりコアが活性化し、正しい姿勢を保つことでケガのリスクを軽減できます。

横隔膜は呼吸以外にも重要な役割を果たす

呼吸がコアを活性化する理由は、吸気時に横隔膜が関与するためです。横隔膜は呼吸を司る筋肉として広く知られていますが、実は体幹を安定させる役割も果たしています。横隔膜は筋膜システムを介して腹横筋、腰方形筋、大腰筋など多くのコアマッスルとつながっています。そのため、横隔膜が呼吸運動を行うと、それに連動して他のコアマッスルも収縮し、腹腔内圧を高めます。これにより脊柱が支えられ、伸ばされることで、運動時のケガを予防します。

コアマッスルを活性化させる方法

横隔膜を動かし、コアを活性化させる基本的なエクササイズをご紹介します。

  1. 腹式呼吸で腹横筋を目覚めさせる
    • 脊柱の中心を探す
      ヨガマットの上に仰向けに寝て、足を自然に曲げ、足裏を床につけます。骨盤を前傾・後傾させる動きを3~5回繰り返し、その中間の位置を脊柱の中心点として確認します。
    • 腹式呼吸の練習
      首が動かないようにあごを引き、胸と腹にそれぞれ手を置きます。吸気時にへその下まで空気を吸い込むイメージで、胸と腹が同時に持ち上がることを感じます。吐気時には胸と腹が同時に下がることを意識しながら行います。このように胸と腹が同期して動くのが正しい呼吸の状態です。
    • 腹横筋を誘発する
      腹式呼吸に似た動作を行いますが、吐気時には空気を完全に吐き切るまで続けます。このとき、腹部に強い圧力が生じますが、それは腹横筋の収縮によるもので、腹直筋による力ではありません。
  2. ドローイン
    • 横隔膜をリラックスさせる
      ヨガマットに仰向けになり、足を自然に曲げて足裏を床につけます。頭の下に枕やタオルを敷くと快適です。手を肋骨の下端に置き、指を内側かつ上向きに押します。この際、肋骨に沿って中央から両側に向かって押し、軽い痛みや張りを感じる場合は正しく横隔膜に触れています。指が直線的に下に押されるだけでは効果が得られないので注意しましょう。
    • 基本のドローイン
      仰向けの姿勢を保ち、両手を腹部に置きます。吸気時にリラックスしながら空気を吸い込み、腹部を持ち上げます。吐気時には腹部をへこませ、この際に軽い緊張感を保ちます。この緊張感を維持しながら3~5回の呼吸を行い、その後、腹部をリラックスさせて休憩します。
    • ドローインの応用編(動作を追加)
      基本のドローインに加えて、吐気時に両脚を持ち上げ、股関節と膝関節を90度に保ちます。その後、一方の脚を下げ、かかとを床に軽く触れさせます。この動作を繰り返しますが、腰椎や骨盤が動かないように注意し、呼吸を止めないようにしましょう。腰と床の隙間が変化しないようにすることも重要です。

これらのエクササイズはコアマッスルを鍛えるだけでなく、横隔膜の運動による連動効果で他のコアマッスルも収縮させます。その結果、腰痛の改善にも役立つとされています。

Author : Rose Lin is an assistant product specialist

Rose Lin is an assistant product specialist for GaleMed ’s Respiratory and homecare Solutions portfolio. Her goals are to assist clinicians to improve the workflow efficiencies and patient outcomes across the company’s patient homecare product portfolio.